プロにしかできない的確な診断が必要
幼稚園、小中高大・専門学校の卒業アルバムや各種記念アルバムなどの印刷を請け負う安達写真印刷㈱。顧客は、全国の街の写真館が中心で、卒業アルバムの印刷を担当する学校数は、年間約3500校に上る。
「仕事のピークが年に2回あり、特に卒業式用のアルバムを製作する1月〜3月に作業が集中します。いつも自動組版などのソフトについて新しいものを考え、効率の良い仕事を追求しています」 と、製造部の福田部長は、繁忙期のおよそ100日間は毎日24時間が勝負だと語る。
2013年以前は、繁忙期に印刷機が止まるなど、トラブルに見舞われており、その都度、KOMORIのサービスに、急ぎで対応してもらっていた。
「機械が止まってしまうと、それ以降の工程、製本も発送も、全て止まることになってしまいます。当社のオペレーターは、1級印刷技能士の資格取得者ですが、エンジニアではなく、部品の摩耗や軋み音の見極めや異常への対応はできません。ある時、1胴の冷却システムから水漏れが発生、大変な思いをし費用も相当かかった。他の3胴も不安になり、KOMORIのエンジニアにチェックしてもらったら、 『今すぐの修理の必要はありません。春に対応しましょう』 と、異常の緊急度を判断してくれました。プロにしかできない、診断の的確さに感動しました。2014年以降は、毎年必ず、KOMORIに予防保全サービス『ONE-DAY CHECK(ワンデーチェック)』 を頼んでいます。
KOMORIとの連携で突発事故対策
安達写真印刷のワンデーチェックは、毎年10月に行われ、11月中に修理、繁忙期を万全の態勢で臨めるようにしている。
「KOMORIの機械技術者と電気技術者が来て、1日で100以上の項目を点検・診断してくれ、各項目の状態によってA・B・Cの3ランクで評価が出ます。機械の停止の危険性があるなど、修理の緊急度の高いものから順に修理の予定を組んでいけるため、毎年計画的な予算組みができます。ワンデーチェックを利用してからは、繁忙期に一度も機械が止まったことがなく、計画通りに仕事が進み、非常にありがたいです。一度機械が止まってしまうと、修理以上の損失も発生するので、結果的に安上がりになっています」 また、安達写真印刷では、緊急ではないと判断し、修理を見送った箇所については、KOMORIの営業所と連携して、もし故障した場合は、速やかに修理に取り掛かれるように、コミュニケーションを図っている。
このワンデーチェックによってたらされる 「安心感」 を、福田部長は 「何物にも代え難い」 と表現する。さらに、突発事故で止まっていた時の費用・損失と、定期的な整備を始めてからの費用について尋ねると、「点検費用は"見える経費"だが、壊れてからの修理には"見えない経費"が結構あります。印刷機が止まると全ての予定が狂い、さまざまなことを計算できなくなります。感覚的に、突発で止まった場合の費用は、ワンデーチェックの費用の2倍です」 とのこと。 製造部の上田係長は 「会社から予防保全は保険として見てもらえており、年次点検をしてもらえるようになってから、重大な事故は減りました」 と話す。
ワンデーチェックで得る「安心」と「信頼」
「ワンデーチェックで得られる安定感があるからこそ、これからも安心して仕事を請けることができます」と福田部長は話す。 1956年の創業以来、60年間アルバムの納期に一度も遅れを出したことがないことが、顧客の信頼につながり、全国からの受注を続ける安達写真印刷の誇りとなっている。
「ワンデーチェックの日は、直接質問したり、アドバイスを仰いだりできます。オペレーターにとって、大切な勉強の機会でもあるのです」と福田部長。また、消耗品も「K-サプライ」で統一しており、「良い商品を生むために必要なものを、KOMORIに管理してもらっている感覚です」と語る。