2016.03

株式会社アサプリホールディングス 様

2台のH-UV搭載機にKOMORI標準インキを採用。
最適資材で生産効率を向上。

  • 松岡 祐司
    代表取締役社長
    松岡 祐司 氏
  • 北原 誠
    印刷部第一グループ グループ長主任
    北原 誠 氏

菊半・菊全H-UV機で4色の仕事の効率向上

㈱アサプリホールディングスは、商業印刷の㈱アサプリ、オフ輪の㈱プリンター、ページもののオリエンタル印刷㈱、制作の㈱バロックのグループ企業を束ねる持ち株会社であり、全社の統括・管理機能を担っている。
同社は、経営の健全化を図るために、受注から出力・印刷・加工・出荷までを一元管理できる独自の集中管理システムを構築している。さらに、生産効率を極限まで高め、グループの総合力を発揮できるよう、印刷工程や資材などの徹底した"見える化"に取り組んでいる。
そんな同社が短納期対応を図るために導入したのがH-UV 搭載機である。2011年に㈱アサプリにリスロンS26(菊半裁4色機)、2013年にオリエンタル印刷㈱にリスロンA37(A全判4色機)を導入している。
「H-UV機ではプロセス4色の仕事しかやらない」と言う松岡社長に、H-UV機の導入理由を伺った。
「短納期の仕事が増え、乾きや後加工の問題もあって、油性からH-UV搭載のリスロンS26 に切り替えました。そして4色の仕事に特化しています。インキを交換せずに、小ロットの連続印刷で台数ものを行い、ドン天もやれて非常に生産効率がいい。さらに菊全も短納期・小ロットで数多くやっていこうということで、リスロンA37のH-UV機を導入しました。お客様からの印刷に関するクレームもなくなり、品質や納期への信用が高まっています」と、H-UV機の生産効率への貢献は大きいと語られた。
同社は、特殊紙や厚紙、特色などもH-UV印刷は行っておらず、普通の紙による商印が99%を占めている。

インキ棚に並ぶKG-911

インキ棚に並ぶKG-911

KG-911による費用対効果は予想以上に大きい

同社ではH-UV機2台をゼロセットの状態に戻し、他社インキを含めて同じ絵柄でインキ使用量のテストを実施している。その結果、昨年3月からK-Supplyインキ(KOMORI標準インキ)の「KG-911」に100%切り替えている。
松岡社長にKG-911に決めた理由を伺った。
「KG-911の採用は、インキ使用量を削減できることが決め手でした。インキはなるべく水を切って、インキの量を最適な状態にして、適性皮膜で印刷することが一番だと思っています。KG-911は薄い皮膜で同じ濃度が出ますので、マイレージ(kg当たりの印刷可能枚数)が高くなり、同じ枚数であればインキの使用量が減ります。盛る量が減れば、インキコストが低くできますし、H-UVランプの電気量も少なくて済みます。折り加工で絵柄が割れることも少なくなります。H-UV機とKG-911による印刷は、品質やマイレージ、コストパフォーマンスの面で非常に優れています。他社のインキと同じ版、同じ紙の同条件でテストして比較してみると分かると思いますよ」と、KG-911の削減効果を語る。
インキは毎日の積み重ねなので、KG-911がもたらす作業性と費用対効果は予想以上に大きいという。

インキ使用量10~15%削減、コスト20%削減

北原主任に、KG-911の導入成果について伺った。
「KG-911と他社製を比較すると、KG-911のインキ使用量は10~15%落ちています。機械の方もインキの送りを10%下げて印刷できます。インキコストは前年対比で20%ほど削減できています。水の送り量も10%下げて印刷しています。朝の立ち上げ時の送り量も10とか12でのセットでスタートしていましたが、今は8くらいに下げています。
今まで使ったインキはエッジピックが悩みの種でしたが、KG-911は真冬でもほとんどトラブルはありません。流動性がいいのでツボ逃げの現象もなくなりました。色に関しては、既存の仕事やリピートものにも対応できるので問題はありません。KG-911をはじめ、H液、洗浄液、親水化処理液、メンテナンスクリーナーなどはすべてK-Supply商品を使用していますが、すごくマッチングしていると思います」と、K-Supply商品を高く評価している。
同社では、誰もがすべての機械を操作できる多能工となっており、水回りの清掃やニップ調整、ローラーの巻き直しなどもこまめに行っている。

見える化でコスト意識を共有することが大切

「厳しい市場価格の中ではプライシングの考え方が大事」と語る松岡社長に、同社の見える化について伺った。
「いかに安く作れる力をつけるか、安く売っても利益が出せる体質をいかに作っていくかが、当社の見える化のやり方です。そのために、印刷機のリアルタイムな稼働状況を把握し、刷り順や混み具合を見ながら最適な振り分けを行っています。さらに、紙代やインキ代、印刷時間も見える化し、インキであれば1kgのコストではなくて、1kgで刷れる量とコストで考える。印刷時間であれば、仕事を行う成り行きの時間ではなくて、採算のためには何時間で行わなければならないかで考える。このようにインキや紙などの資材、印刷時間、電気使用量、受注金額のデータなどを組み合わせて分析を行うことで、仕事ごとのコストや印刷機ごとの時間当たりコストを明確にしています。それらのデータは全社員で共有し、部門別採算で一人一人が課題と目標を持ちながら仕事に取り組んでいます」と、全社でコスト意識を持つことの大切さを語られた。
さらに、KOMORIが展開するK-Supplyの商品開発については、「ユーザーとKOMORIが一緒に研究しながら、印刷機だけでなく最適な印刷資材や機材までを提供することは大いに歓迎します」と語られた。

現場のみんなが考えチャレンジする強い会社に

「自分の立ち位置と目標設定が大切」と言う松岡社長に、今後についてお聞きした。
「コストは下げられるところは極限まで下げてやっていかなければ、なかなか勝ち残っていけない。しかし、印刷しかできない会社は残れません。今後はデジタルやウェブ、クロスメディアなど情報産業の多角化をイメージした業態にしていかなければならないと思っています。現在、デジタル機を導入したり、カラーマネジメントのクラウド化など、一層の効率化に取り組んでいます。新しいことにはどんどんチャレンジし、現場のみんなが考えて行動する強い会社にしていきます」と語る松岡社長は、業界を変革していく若い人財を育てるべく、印刷がめざす将来への設計図を描きはじめている。

株式会社アサプリホールディングス

本社:三重県桑名市安永926
TEL:0594-23-5519

トップへ戻る