2社の生産管理業務の統一化、効率化のため、KP-コネクト プロを導入
1949年創業の双葉印刷㈱と、1964年創業の共和印刷㈱をグループ化するに当たり、菊池社長は全体の効率化、生産性向上を念頭に改革を進めた。利益創出のためには共和印刷の2台、双葉印刷の4台の合計6台の印刷機をいかに効率的に稼働させるかが重要と常に考えてきた。その中で、とりわけ力を入れたのが、生産管理の統一・改善だ。
「たとえ最新の印刷機を導入したとしても、性能を発揮するには仕事内容を考慮したスケジューリングが重要になります。例えば予定を立てる際、大きい紙から小さい紙へという流れで計画すると、圧胴洗浄は1日1回で済みます」
しかし、現場がその重要性を理解し、実行することは容易ではなかったという。
そこで菊池社長は、 「KP -コネクトプロ」 を導入し、2社の業務フローの統一化とともに、従来エクセルや紙で行っていた生産管理の業務を全てKP -コネクト プロに移行することを決めた。
生産管理改善の効果は絶大
電話確認はゼロ、事務作業は3分の1に
「導入以前は、受注案件ごとに何種類もの書類や予定表を、エクセルで一つ一つ作成し、プリントアウトして配っていました。変更の都度修正が必要ですし、進捗確認も電話や現場に行っての確認になるので、生産管理というより事務作業を一日やっている感覚だった」 と話すのは、生産管理を担当する菊池部長。
「KP-コネクトでは、受注情報を1回入力するだけで全ての書類に反映され、各工程に簡単に共有できます。従来の3分の1くらいの時間でこなせるようになったことで、効率的な予定組の検討、機械の稼働率の分析、工場、従業員の管理など本来の業務に多くの時間を充てられています」
また、「印刷予定は下版、用紙、刷版の進捗に影響されます。三つの進捗状況を考慮した上で、効率的な予定を組むことになる。KP-コネクトのスケジューラには、印刷機の稼働状況はもちろん、下版、用紙、刷版の進捗状況もリアルタイムに反映されるため、効率的な予定づくりが簡単にできる。これまで確認のために1日20〜30件かけていた内線電話はゼロになりました」 と、改善の効果について語り、もはやKP-コネクトプロなしでは生産管理業務は成り立たないという。
そして、その効果は各現場の業務にも好影響を及ぼしている。
「営業部門は、印刷機の作業予定と負荷をリアルタイムでつかめるので、機械の空き状況を踏まえた、効率的な営業活動が行えるようになった。用紙管理部門では、用紙の発注・入庫予定のリストもリアルタイムで表示されるため、当日の突発的な追加案件なども抜け漏れが無く、正確に把握して管理ができる。そして、その流れで用紙下札も出力できるため、従来1日2時間程度かかっていた事務作業もほぼゼロになり、これまで3人で行っていた用紙管理業務も2人で回すことができている。納品や引き取りについても、用紙管理と同じ作業で効率的な管理ができています」 と菊池部長。
さらに、刷版部門と印刷部門でも従来手書きで行っていた日報記録の必要がなくなり、進捗状況も自動で共有されるなど、大きな変化と効果をもたらしているという。
菊池社長は 「各社ごとの生産管理は効率化できたが、今後は2社のスケジュールを統一管理して一人で行い、両社の仕事のバランスや難度、印刷機の適性などを考慮してスケジュールを立てることで、さらに全体的な効率の向上を図っていく」 と、今後の活用について語った。
「見える化」で稼働率向上60%を超える月も!
菊池社長はKP-コネクトの効果として 「見える化による現場の意識の変化」 についても挙げた。「1台2億円以上する機械が2台あり、30%の稼働率だったものが50%にアップすると、もう1台機械があるのと同じ状況になります。KP-コネクト プロを入れると、印刷機1台入れた分稼ぐよ、というのが私の狙い。導入によって、稼働率やその詳細状況など、結果が数字で確認できます。それを見ながらオペレーターと打ち合わせすることで、課題を共有することができ、現場でやるべきことが明確化し、効率を考えて仕事してくれるようになりました」
その結果は実績にも現れており、特に共和印刷では先に改革を進めていたこともあり、本刷りまでの作業時間を大幅に改善し、月平均50%の稼働率を達成。
単月では60%を超える月もあるという。
印刷に関わる全ての業務をKP-コネクト プロで一貫管理
経営から現場まで、効率化の効果とともに大きな変化をもたらしている、KP-コネクト プロ。菊池社長は、「KOMORIに相談して、発注書や請求書関連まで機能を拡張しようと考えています。これが実現すれば、印刷に関わる全ての業務をKP-コネクト プロで管理できるようになります」。最後に「ただの稼働率だけを見るシステムだと思っていましたが、印刷機の情報を全てデータに残し機械の整備計画の判断にも役に立つ、常に印刷機をベストの状態で稼働させることができる。これは印刷会社として品質確保に最も重要な事です」 と語った。
「下版状況と絵柄データが事前に分かることで前準備もスムーズになり、時には現場から作業順変更の提案をすることもあります」と石崎工場長。さらに、「2社合計6台の印刷機の稼働状況が全部門で共有できているため、仮に問題が発生してもすぐに解決できます」
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