日々の地道な努力の積み重ねがお客様の評価となる
加藤紙工㈲は「お客様には、ノウハウやコストの提供が大切。当社を信じて発注してくれる企業へ、今まで以上のコストパフォーマンスや付加価値の提供で、一緒の立場で仕事をさせていただく」という、2年前に就任した加藤社長の方針のもと、社員全員で仕事に取り組み、仕事の引き合いを増やし、仕事の幅を広げることで業績を伸ばしている。
「加工に関しては、印刷と違ってまだまだアナログの部分が多く、明確化できない面があります。人の目で確認する作業に対しては、お客様との守るべきルールはきちんと守り、トラブルが起こった際はその原因を明らかにし、防止するための対策をすぐに提示するなど信用を大切にすること。また、作業上の安全を十分に確保することが、結果的に生産の効率を上げるなど、日々の地道な努力を続けることが大切なのだと思います。最近では、お客様である印刷会社との距離感が近くなり 『パートナー』 と言ってくれるところもでき、取引先から 『今こんな方向に進もうと考えている』 など、コアなお話を聞かせていただけるようにもなり、当社でも早めの対応をとることができるようになりました」と話す加藤社長。
1台の機械の導入がもたらす効果を、最大限に活用
お客様との良好な関係を進める中、生産現場では、これまで使用していた断裁機の1台が不調になり、新しい断裁機が必要となった。入れ替えに際し、「お客様からは、常に納期の短縮を求められています。枚葉系の仕事は切り替えの連続ですから、セット替えの速さと稼働率のアップが求められます。そのためには、バックゲージの動きが速いことが重要な選定のポイントになります。もう一つの理由は安全性です。これまでは海外製ばかりを導入していました。国産機はセーフティーバーの範囲が狭いなどの安全対策に疑問があり、万が一を考え採用しませんでした。安全対策は、もともとの機械のスペックにないとどうにもならない。選定はこの稼働率と安全面を重視しました」
加藤社長が最初にアプリシアを見たのが、2015年のIGAS会場。その後、昨年6月に導入対象としてアプリシアCT137を見学した。IGASで感じた「あそこを改善できたらいいな」と思っていた部分が、見学時には変更されていたという。
「わずか1年の間に、ユーザーの声が反映され、少しでも使い勝手がいいようにその部分を変更したKOMORIのすごさを感じた。メーカーとしての姿勢を頼れると思った」と笑顔で話される。
性能面ではまずクランプ圧に注目、これまで使用してきた機械や既設機では最低圧200Kg が、アプリシア CT137ではゼロまで可能になり、跡がつきやすい用紙に有効であった。また、操作しやすいタッチパネルや見やすいデジタル表示、安全性への配慮なども選択の項目として重視した。
結果、アプリシアCT137の採用を決められた。
導入後の現場では、「バックゲージの動きとモニター表示が一致しているか常に確認するなど、標準化を進めている。また、切り方にも社内基準を設け、誰が切っても品質が均一になるようにしている。今後は、より効果的な使用に向け、この用紙ならこのクランプ圧力など、数値化して標準化していくことも必要になります」との声が聞かれた。
「半年間、設定のノウハウを身に付けることに注力してきました。やっと使い慣れてきて、これからが本格稼働だという段階です。今後、さらに品質の高い良い仕事につながると思います」と、ライン全体への効果を見据え、さらにお客様への貢献度を上げられると力強く話された。