2019.09

株式会社ミニカラー 様

リスロンG37Pの自動版見当機能や品質検査装置で
磨き続けてきた「小ロット・短納期」を大幅強化。

  • 大岡 剛
    専務取締役
    大岡 剛 氏
  • 黒木 秀夫
    常務取締役埼玉工場長
    黒木 秀夫 氏
  • 懸田 浩宣
    埼玉工場副工場長兼務業務部長
    懸田 浩宣 氏
  • 小松 達夫
    印刷部印刷一課 課長
    小松 達夫 氏

対応力とサービス面に引かれKOMORI機を初導入

㈱ミニカラーは、1980年、年賀状の印刷事業からスタートした。社名は、小ロットの案件を積極的に受注していたことに由来する。大岡専務は、 「創業時から変わらず、小ロット・短納期を一番の強みとして営業しています。約40年間にわたって、小ロットの案件を数多く手がけ、スピードアップを図ってきました。そのノウハウの積み重ねが、当社の今をつくっています。点数・案件数が非常に多いため、進捗管理システムを自社開発しています。飛び込みの仕事も最適化して進められ、印刷を24時間回していける体制が整っています」 と、小ロット・短納期のパイオニアだと自負する。
そして今、小ロット・短納期需要が高まる中、この歴史が強い競争力となっている。案件のメインは、商業印刷と販促物で、1000通し以下のものから1〜2万通しのものまで。受注した翌日に印刷し、2日後に納品というのが、基本的なスケジュールだ。今年の1月、既存機の老朽化と、自動化によるさらなるスピードアップを図るため、検査装置や色調の自動合わせ機能も加え、リスロンG37P(A全判反転機構付オフセット枚葉印刷機)をLED UV化して導入した。KOMORI機の導入は、ミニカラー"初"である。
大岡専務は、「多能工を進めるために、これまでは一つのメーカーの機械で統一していました。今回初めてKOMORI機を入れたのは、A全の仕事が多いので、菊全も刷れるA全の印刷機で、コストを抑えたかったことと、限りある工場のスペースを節約する狙いがありました」 と、会社の方針を変える大きな決断だったことを振り返る。選定の理由は、それだけではない。黒木工場長は、新たな反転機構に注目した。
「新しい機構を見て、これならいけると判断しました。さらに、自動版見当機能を備えていて時間を短縮でき、品質検査装置の搭載で品質も向上するというのも魅力でした。昨年のIGASでデモンストレーションを見て、立ち上がりの早さと刷り上がりの品質にも引かれました」

中綴じの冊子も0日で納品新サービス「ZERO」の要に

従来の機械とは異なり、検査装置などさまざまな機能が付いていることから、オペレーターは最初は手順が変わることに戸惑ったが、半年ほどが経ち、慣れてきたという。黒木工場長は 「印刷中のものを抜き取って測色機で読み取り、それを機械に反映させる手順は、ボタンをいくつも押していくことになり、最初は確認しながらでした。でも、今は慣れて、作業量は平均40%アップ。生産性は確実に上がっていますし、今後まだまだ伸びしろがあると思います」 と話す。
ミニカラーは、今年1月、もう一つの大きな変革を実行している。それは、UV対応だ。これには、同社の新サービス 「ZERO」 が大きく関わっていることを、大岡専務は話す。
「通常、中綴じの冊子ものは、努力しても2〜3日かかってしまいます。それを0日にするのが 『ZERO』 のコンセプト。夕方に入稿されたら、都内なら翌日午前中に納品するサービスです。Webにはない紙の良さは、手に取ってすぐに視覚的に多くの情報を得られること。この紙のメリットが生きる、情報量を多く扱える中綴じ冊子を、短納期で上げられる印刷所は、そうそうありません。そこを追求していくことで、付加価値を高めていきたいと考えています。実現のためには、UV化がマストでした」
リスロンG37Pと以前から保有していた1台の計2台を同時にLED UV化したことで、後工程を含む効率は、ガラッと変わり、超短納期を進めている。そのことは、黒木工場長の話す 「印刷が上がった端から刷本を断裁して製本していくことが可能になりました。入稿されたものは刷版が出来次第、印刷を行い、刷了後すぐに製本にかけることができます。鞍数の多いものならその場でどんどん折って、仕上がった物から中綴じにかけており、生産の効率がこれまでと大きく異なり、短時間で出荷できるようになりました」 という言葉からも明らかだ。

スピードとともに重要なのは安心を提供すること

「ZERO」 によって、強みに磨きをかけているミニカラーは、顧客にとって何が一番重要かを考えてきたと、大岡専務は語る。
「スピードとともに、重要なのは 『安心を提供すること』 です。第1弾として情報セキュリティーマネジメントのISO27001に対応しました。第2弾として 『見える化』 を進めています。顧客が注文したものが、今どの工程にあるのかウェブで確認できるようにすることで安心を提供し、共に物を作っているという意識が、よりお客様と近づけるのではと考えています」
現在は、社内システムをベースにしたものになっているが、今後は、既に導入しているKOMORIソリューションクラウド 「KP-コネクト」 との連動も視野に入れている。「社内システムとKP-コネクトで、濃度などのデータを数値化して、印刷物の仕様を明確にして納品できるようにしたいと思っています」 と、大岡専務は次の展開への準備を進めている。

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リスロンG37Pについて、黒木工場長は「色調管理や刷り始めまでの自動化には、十分満足しています。原材料が値上がりしているが工賃は値上げできない状況の中で、どうやって利益を生んでいくか、それを含めKOMORIと一緒にさまざまな検討をしています」と語る。

株式会社ミニカラー

埼玉工場 : 埼玉県川口市八幡木3-13-11
TEL: 048-281-6151

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