企業価値を高めていくのが使命
㈱山越は、企業理念に「仕事は愉快・痛快・爽快に!」を掲げ、「"快"Communication company」という企業ビジョンを打ち出している。お客様の企業価値を高める情報メディアを提供し、快適な情報環境を創出する"快"コミュニケーションメディアメーカーを目指し、日々邁進している。
山越社長は、「企業理念には、お客様や社会のお役に立つ仕事、みんなが"快"を感じられる仕事がしたいという思いが込められています。そして、当社が提供するモノはすべて情報メディアだと思っています。単にモノを納めるだけではなく、その情報メディアがお客様にとってどういう場面でどうお役に立つのかということを具体的に提案して、企業価値を高めていくのが当社の使命だと考えています」と、歴史に培われた企業姿勢を語られた。
同社の売上構成は、印刷物60%、文具・事務用品30%、残り10%がWeb関連・新規事業となっているが、今期から業務効率を高めるための事業再編と新規事業に取り組んでいる。
山越社長に印刷への取り組みを伺うと、「当社が考える印刷は、単に刷るだけではなく、そこにどういう価値を載せるのかということを考えていく仕事だと思っています。さらに、差別化を発信することが重要ですが、新規事業の付加価値の高い商品開発との相乗効果で印刷を伸ばしていきたいと思っています」と語られた。
この1年で生産高107%が目標
事業変革を推し進める同社は、昨年11月、初となるUV仕様のH-UV搭載リスロンA37(A全判5色機)を菊全4色機と入れ替えて導入。同時にインキをはじめ湿し水、親水処理液、ローラー洗浄液、ブランケットなどの資材はすべてK-Supply商品を採用している。
「KOMORIは印刷の資材を含めたバックアップ体制に力を入れており、その支援を得られたことが大きかった」と言う山越社長に、H-UV機の導入成果を挙げていただいた。
○速乾で品質が安定している。内製化やロスの削減が実現でき、印刷立ち合いもスムーズになっている。
○今までできなかった新しい仕事が取り込め、特殊紙印刷やパッケージ印刷にも対応が期待できる。
○オリジナルブランドの様々な商品開発に有効に活用できる。
○小ロット・多品種対応で、より多くの案件をこなすことができる。
導入して半年であるが、生産高は1月~ 5月の昨年比で103%となっており、1年間で107%まで向上させるのが目標になっているという。
新たな印刷や商品開発に挑戦
H-UV機導入を推進した瀬戸本部長にH-UV機の活用について伺った。
「この1年間はH-UV機でカラー案件を出来るだけこなして効率化の地固めをやり、内製化率を高めます。インクジェットでのプルーフ出力は、同時導入したCMSソフトのK-ColorSimulator 2により、ジャパンカラーに準拠したデータでH-UV機とのマッチングを行っていますが、色や品質に厳しいお客様には、H-UV機で本機校正を行っており、レスポンスは確実に向上しています。今後は厚紙も通せるのでパッケージや商品開発に挑戦していきます」と、瀬戸本部長は新たな取り組みへの意欲を語られた。
K-Supply商品で安定した仕事
H-UV機導入の切っ掛けになった話を松生部長にお聞きした。
「お客様から廃版になった更紙状の紙と同じ感じの印刷仕上がりにできないかと相談を受けました。墨30%の網ふせをした上にカラーで印刷する案件でしたが、油性機で表裏5色を4日かけて印刷し検品に1日を要し、毎回つらい思いをしていました。KOMORIとの相談で問題なく対応できることが分かり、それがH-UV機導入のひとつの切っ掛けになりました。導入後は両面の印刷がわずか1日で望み通りに仕上がるようになりました。」
K-Supplyインキについては、「新規案件の色は問題ありません。油性からの継続案件はお客様の了承を得ながらH-UVへの切り替えを進めています。色に厳しいお客様からも今のところクレームはありません。それに、インキの継続使用はインキつぼのメンテナンスがパックになっており、安定した仕事につながっています」と松生部長は笑顔で語られた。
H-UV機の機長でもある伊掛課長に使い勝手について伺った。
「UVもカラー印刷も初めてですが、KOMORIサービスの丁寧な操作指導で問題なく使いこなせています。速乾パウダーレスで裏移りやドライダウンがなくなり、その負担がないのが一番です。色の数値管理ができ、印刷立ち上がりも早く最初から最後まで色が安定しています。K-Supplyインキは油性と違い皮膜が張らないので、インキを使う量も抑えられ、また、ツボを洗う頻度も極端に少なくて済むため、ムダな作業も少なくなっています。」
印刷の価値向上で売り上げ拡大へ
山越社長に今後について伺った。
「二つの事業を展開しています。ブランディング事業は、当社が培ってきた印刷や文具・事務用品、Web制作の基幹事業を基盤に、6つの事業サービスを提供しながらお客様の企業価値向上を目指していきます。オリジナルブランド事業では、商品開発とネット通販を大きな柱に育てます。これらの事業展開で売り上げ拡大を図っていきます。また、事業を支える印刷においては、商品価値を高める設備を整え、印刷・加工・パッケージングの一連のラインを構築していきます」と語る山越社長は、常にお客様・社員・協力会社から求められる "快"の情報環境を追求し続けている。