ポストプレスコラム
Vol.02
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平断裁による「2 丁製本」 美しい切り口への工夫
中綴じや無線綴じの2丁製本で、数冊ずつ重ねながら1丁ずつに切り分けて、化粧裁ちまでの最終仕上げを行う工程で、小ロットの場合、平断裁機を使うことがよくありますが、本の背がむしれるなどのトラブルが発生することがあります。
2丁つながった状態での裁ち落とし寸法は一般的な製本と同様、天地・小口とも3mm、丁と丁の間も3mmずつの計6mmにそれぞれ設計されているのがほとんどです。
どうすれば安定的に美しく切ることができるのでしょうか。
紙質等の条件にもよりますが、刃を下ろす順番としては、丁と丁の間の6mmの真ん中を最初とするのが正解となります。まず、1丁ずつに切り分けてしまう格好です。そして、1丁ずつ3方を化粧裁ちしていく流れとなります。工程は増えますが、こうすることで本の背への負担が軽減され、仕上がりが美しくなります。
また、数冊重ねて断裁する中で、一番下の本のさらに下に、不要な本や、束厚程度の厚さの紙束を敷く工夫をしている現場もあります。そうすることで、刃が下りている最中に、断裁くずとなる部分が切り口から離れやすくなり、一番下の本へのストレスが軽減されるのです。
定盤の上で本の背を左右どちらに向けて置くかということも重要です。刃は右か左のどちらかにスイングしながら下りてきます。置く向きは背の切れ方に大きく影響することがあります。さまざまな紙質でテストしてみてください。
2丁製本で切り分ける前の丁の配置。平断裁機の刃を下ろす順番や、切る際の工夫で切り口の出来が変わる。