POSTPRESS

ポストプレスコラム

Vol.06

断裁する紙が多様化 包丁選びも切れ味を左右

 近年、平断裁機の包丁の刃先に「ハイス(ハイスピードスチール)」が使われることがめっきり減り、現在、主流は高い硬度を持つ「超硬(超硬合金)」になっています。
 ハイスは超硬よりも硬度は低いのですが、粘りが強い分、刃先を鋭角に加工しやすく、紙質によっては超硬よりも断裁がスムーズに進む場合があります。ただ、切れ味は超硬より長続きしません。
 超硬は硬度が高い反面、欠けやすいとされてきましたが近年、品質が大きく向上しています。できるだけ鋭利で耐久性の高いものを目指し、素材や刃先の角度などの組み合わせが吟味されてきました。
 断裁現場には日々、さまざまな種類の紙が寄せられます。多品種小ロット化の波が強まるにつれ、紙へのこだわりを抱くクライアントが増え、腰の強さや表面加工といった紙質は一層多様化しています。また、一部の再生紙は包丁にとって厳しいようで「以前よりも切れ味が落ちるのが早い」と実感されている方が増えています。
 紙質に応じてその都度、包丁を取り換えることができればいいのでしょうが、それでは作業効率に影響してしまいます。現場での使い分けを必要とせず、幅広い紙質に対応できるよう、現在、さまざまな包丁が提案されています。
 切れ味の良し悪しには、紙質だけでなく、紙の目の方向や断裁機周辺の温度・湿度、クランプ圧、一度に切る枚数などさまざまな条件が絡んできます。気持ちの良い断裁工程実現のため、包丁の選択や周辺環境について、K O M O R Iと話してみてはいかがでしょうか。

さまざまな包丁

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