ポストプレスコラム
Vol.09
一覧へ
印刷前の白紙の直角出しが重要 ポストプレスの効率を左右
「印刷前の白紙の4つの角が直角になっているか」ということを意識したことがあるでしょうか。
断裁や抜き、折り、綴じなど、印刷会社によるポストプレスの取り込みは、最近では「スマートファクトリー化」の一環としてとらえられるようになり、全工程にわたる最適化をにらんださまざまなボトルネックの解消に努める姿が多く見受けられます。
そうした中、たびたび気付かされるのは、ポストプレス現場での「紙の直角」の重要性です。
印刷現場に入荷されたワンプに包まれた白紙は、製紙工程上、直角が出ているとは限りませんが、印刷機ではそのまま通しても、見当の合った印刷が可能です。しかし、その刷本を受け取って作業するポストプレスのほとんどの工程では、刷本現物の針側とクワエ側の2辺のなす直角を基準にして作業が進行していきます。例えば断裁工程では基本的に、針とクワエの辺で刷本を突きそろえ、断裁機のバックゲージとサイドゲージに2辺を突き当てて寸法を設定し、刃を下ろしていきます。直角が出ていない紙に曲がって印刷されている刷本では、正確な形に断裁するために大きな手間が掛かってしまいます。折りや抜きでの指定の位置での加工や、無線綴じでの水平な背切りや見開き合わせも工数のかかる難しい作業となってしまいます。
そのため、ポストプレス現場では、白紙の段階での直角出しを望んでいます。スマート化によるプリセット情報の自動送信機能を生かすためにも、また、何より高品質化・短納期化のニーズに対応するためにも、印刷前のていねいな「4方化粧裁ち」の一手間が見落とせません。
直角の出ていない刷本の化粧裁ちは手間が掛かる(イメージ図)