ポストプレスコラム
Vol.10
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折丁のドブをそろえてみては?断裁機での「一手間」が無線綴じの生産性アップに
無線綴じ向けの刷本で、用紙に対して印刷範囲が小さすぎるなどの場合にトンボ合わせで折ると、下の写真のようにドブの一部が大きく出っ張った形の折丁が出来上がることがあります。この出っ張り具合がまちまちな折丁が集まると、無線綴じライン内で折丁がそろいにくくなり、生産性低下を招いてしまうことになります。
短納期・高品質競争が厳しい業界の流れの中で、こうした無駄は排除したいところです。出っ張りを少なくして極力そろえるため、まずは印刷前の白紙の大裁ちとともに、サイズ調整のための断裁をしてみてはいかがでしょうか。
製本専業者の現場では、刷本や折丁への「下ごしらえ」が日常的に行われています。1冊の本を作る際、表紙や本文など台により複数の印刷会社が印刷を担当するケースが多くありますが、それらを集めて作業する製本現場から見れば、印刷位置やドブの大きさがそろっていない刷本を一まとめにすることを余儀なくされるということになります。
そのため、製本現場では、刷本ごとに折った後の姿を見越し、出っ張りとなる部分を断裁機で適切に落とす作業を行います。社内のスケジュールによっては、折った後、折丁を断裁機に掛けることもあります。こうした下ごしらえを必要とさせるほど、出っ張りの不ぞろいは無線綴じラインの生産性を低下させるのです。
クライアントに高品質な製品をさらに短納期で納めるため、断裁の一手間が大きく貢献するかもしれません。一度、折丁サンプルを作ってみて、出っ張りの落とし具合を確認してみてはいかがでしょうか。